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ごみ処理場見学にいってきた。 [ごみ]

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 某市ではゴミ処理場ができてから30年が経ち、新しい施設に移転することになった。そこで、かつて下水道撮影で協力していただいた市職員より声がかかり、見学、撮影を行った。
一通り見学したが、やはり絵になるのは炎そのものと思い、輻射熱を浴びながら焼却炉内部のぞき穴より撮影。炎にはゴミが燃えやすいように空気が送られていることもあり、かなり高感度にしないとシャッタースピードが稼げなかった。炎の「めらめら」は想像以上に速いのだ。

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 そのあと、粗大ゴミ集積ピットを撮影。このような集合体はより精細に撮れるEOS5Dsで臨みたかったが高感度には弱いカメラのため、EOS6Dで撮った。

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 最後に、燃せるゴミのピットに防塵マスクをつけて潜入。巨大なクレーンはUFOキャッチャーを連想させて楽しげにも見えるが、かなりのにおいのため2〜3分で切り上げた。このにおいのもとは大抵は生ゴミである。時間が経つほどにおいだし、さらに発酵などが加わり独特の悪臭を放つ。やはり、生ゴミは分別し、バイオ燃料等に変換されるべきだと思うがいかがなものか。
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日本で一番複雑な下水道【解説】

 YouTubeにて公開した動画「日本で一番複雑な下水道」は、途中早送りなどを用いたものの、探検気分を共有したいがために23分という長尺になってしまった。しかもラストシーンはライトアップに力を入れたためテロップでの説明を割愛している。そこで、このエントリーを利用して少し踏み込んだことを解説しようと思う。YouTubeのアドレスは下の通りなので、見てない方は頑張って見てみてほしい。

https://www.youtube.com/watch?v=_mhj_uFNvkg

 仙台市にあるこの下水道、何が珍しいかというと一本の内径6.45メートルのシールドトンネルを三分割し、それぞれに違う用途を持たせていることだ。この分割された断面がわかりやすい写真が撮れるところまでには、約400メートルトンネルを歩き、さらに梯子をアップダウンの末ようやくたどり着ける。梅田川第1雨水幹線(略して梅1)と通常呼ばれているが、実際には雨水管と合流管にそれぞれ別の名称がついている。以下、撮影順に捕捉する。

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 マンホールは市街地にある。歩道上にあるので、道路使用許可が要らない。

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 立坑の下に敷かれた洗掘防止用の石が雨水に流されて散乱している。「梅1」への連絡管。

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 「梅1」への接続部。こんなところがいくつかあるので一人で入ると迷子になってしまうに違いない・・。

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 雨水管の所々にある水栓は、管路に溜まった堆積物を除去するため設置されたが、現在は使われていないとのこと。

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 雨水管を約380メートル歩くと行き止まりに着く。右の穴は雨水幹線のさらに上流部。向かって右の壁を隔てた反対側に目的地がある。

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 雨水管から梯子で4段上ったところにあるゲート室。油圧ゲートと電源喪失時にゲートを開閉できる窒素タンクなどが並び、地下要塞のようだ。

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 動画のラストシーンと同ポジションで撮った静止画。右下(青①)が、380メートル歩いた雨水管。これはいっさい他と混ざらないよう隔壁がある。右上(赤②)は、合流式下水道が大雨時に越流した水を集めて流す管。左半分(緑③)は半円形の管路で、雨が降り始めたとき、屋根や道路の汚れを多く含む初期雨水を一時的に貯水する(滞水池という)。赤②は手前のスペース(撮影カメラ位置)とつながっており、このスペースに越流汚水(通常の汚水の5分の1くらい希釈されている)が溜まっていく。この水より、緑③の初期雨水のほうが汚濁度が高いため、両者が混ざらないように自動でゲート(左下の開口部にある)が閉められる。緑③の水はそのまま処理場まで運ばれ、降雨終了時にはゲートが開いて汚濁度の低い越流水がそこを通って処理場まで行く。この時、緑③の管をフラッシュ洗浄する役割もあるわけだ。
 このように、1つのシールド管を3分割しているのは小生の知る限り他に例を見ない(背割り管と言って2つに分けられることはよくある)。また、到達距離が約400メートル+αと長く、酸素欠乏などの危険性が高いこともあり、滅多に立ち入ることはできない大変稀な現場である。

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和田弥生幹線に通ずるドロップシャフト [下水道]

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高低差の大きいところで使われているドロップシャフトは縦穴の中がらせん状構造になっている。東京都の和田ポンプ施設のドロップシャフトは全長が27mで、集中豪雨のとき、既設の下水管があふれることがないよう、和田弥生幹線という雨水貯留管まで緩やかに下水を落とし込む仕組みだ。内径は2.5mもあり、日本最大だと思われる。スクリューは2段式だ。はじめ螺旋で遠心力をつけ、その後慣性で回り続け、最後にまたスクリューで整流し、管底の損傷を防ぐ。全部をスクリューにすると、勢いが強くなりすぎるというが、製造時のメリットもありそうだ(この手のものは工場で造って運ばれてくるので・・・)。
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飲める下水!! [下水道]

東京都新宿区の落合水再生センターでは、砂ろ過による高度処理が行われている。通常の下水処理水を直径1mmほどの細かい砂の層を下から上にくぐらせ、汚れを取り除く。見た目では確かにきれいで、においもほぼない。14.11.27_2888.JPG
砂ろ過された水は高層ビルのトイレ用水や、渋谷川、目黒川、呑川(本来の川の流れはほとんどない)に送られ、清流を復活させている。この処理場ではさらに膜ろ過という、超高度処理が行われている。16.03.04_1602.JPG
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膜ろ過は2種の膜(フィルターのようなもの)を通して更に不純物を取り除く。まず、UF膜により、0.01μm程度のごみ、細菌はシャットアウトされる。次にRO膜(UF膜の10分の1目が細かい)を通すと、塩類までもがろ過され、純粋な水しか出てこない。この技術は、海水を飲み水に変えることにも応用され、水不足におちいった際は有効な手段となるだろう。ためしにろ過後の水を少し飲んでみた。ミネラル分も残っていないため、おいしいとは言えないかもしれないが、のどの渇きは充分癒える。これに海水を少しだけブレンドすればおいしくなるに違いない。あとはイメージの問題だろう。これ、下水をろ過した水ですよって言われたとき、抵抗があるかないか。あなたならどうしますか?
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究極のエコシステム導入 [下水道]

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 またまた、半年ほどブログが更新できなかったorz...。最近カメラマンの仕事より執筆依頼が多くなってきており、ブログに手が回らない。元々文筆が得意ではない小生はもう文章はいやだー、と逃げ出したくなってしまっている(逃げませんけどね)。
 さて、写真は東京都の清瀬水再生センターにある下水汚泥ガス化炉。下水汚泥を蒸し焼きにしてガスを発生させるのだが、これには世界で初めての高度な技術が取り入れられている。焼却熱を乾燥や発電用エネルギーとして再利用し、従来の高温焼却炉に比べ温室効果ガスの排出を約70%削減できるという。これにより、本来のエネルギー源であった都市ガスをほとんど必要としなくなる。最後に残った灰はセメント、煉瓦や舗装の原料として使用され、捨てるものは何もない、究極のエコ処理システムだ。
 夕刻、作業用照明でライトアップされた汚泥焼却棟は「工場萌え」ファンも唸らせるに違いない。


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五感で下水道を体験できる蔵前水の館 [下水道]

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 東京都台東区に「蔵前水の館」という施設がある。23区内では唯一、本物の下水道を見学できるところだ。レトロな建物の入口から階段を下りると、下水道の仕組みや歴史がわかる展示物があり、地下3階には浅草橋幹線への扉がある。これを開けて中に入るとステージがあり、一般の見学者はここまで。この辺りはだいぶ下流で直径6.25メートルと管が大きく迫力は満点なのだが、においはちょっとキツい。
 ここには幅1メートル足らずの管理用通路があり、上流側に300メートルほど行くと堰がある。ロート状に寄せ集められた汚水の先にはぶっといドリルビットのようなスクリューがついている。蔵前ポンプ所の負荷を軽減するため、ゴミを分離しているそうだ。ねりねりされた汚水はこの後、三河島水再生センターまで流れていく。
 スクリューまでは見られないが、下水道に興味がある方はぜひ見学に行ってほしい。予約が必要なので、「蔵前水の館 見学」で検索してね。
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地下に聳えるパルテノン神殿 [下水道]

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 東京都下水道局が管理する雨水調整池は13カ所(データが古いので今はもう少し多いかも)。生活排水等(汚水)と雨水を一緒に流す合流式下水道が多い東京都、大雨が降って下水道の許容量を超えてしまうと河川等に汚濁度の高い水が吐き出されることになる。それをできる限り減らすために地下に調整池を造って一時的に下水を貯める。近年、ゲリラ豪雨と呼ばれるような突発的な降水も珍しくなくなり、雨水調整池や雨水貯留管などがどんどん建設されているのだ。写真は昭和61年にできた南元町雨水調整池で、最も古い。新宿区の公園の地下に広がるこの空間で、四谷幹線の越流水を貯留する。2室に分かれ、それぞれ8000㎥+5000㎥のキャパシティーを持つ。現在はこれより大きな貯水能力を持つ施設があるのだが、後の機会にゆずることにする。
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マンホールから覗く首都 [下水道]

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 首都東京のシンボル、都庁舎をマンホールの中から見上げてみた。
 マンホールの中の状況は蓋を開けてみるまで分からない。幾つか開けてもらって最適なアングルを狙う。マンホールの底で体を丸めて、ファインダーが覗ける限界に挑戦。それでも三分の二は空だった。そこで、蓋を半分ほど閉めてもらったところ、期せずして三日月型の構図となった。大きく写っているのは下水道局の入る第二庁舎だ。冬季のため、花も葉もない桜の枝が肺の毛細血管のように見える。ここで足をつったら大変なことになる。また、寒さでバッテリーの持ちが悪く、度々交換しながらの撮影となった(EOS50Dを使用、BP511は寒さに弱い。この後LP-E6になってからは劇的に改善した)。

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もぐら再起動宣言! [下水道]

 最後のエントリーが去年の7月、もう9カ月も放置してしまった当ブログ。「いいね!」やコメントをもらいやすいFacebookに「ゆるい」投稿をすることに慣れてしまい、誰が読んでくれているかが分かりにくいブログを書くのが億劫になってしまったことが最大の理由だ。もう一つの理由は、小生がコラムを連載している業界誌「月刊下水道」編集部より、本誌掲載より先にブログで発表するのはNGと言われてしまったことだが、もうそのコラムも60回を超えた。先に出すのがダメでも後出しならOKのはずである。自身の忘備録を兼ねて過去の記事を一般の人にもわかりやすく一部修正しながらブログに載せていこうと思い立った。これなら週一で書いても1年以上続けられる。これを弾みにしてブログを再起動させようという目論見である。
 「月刊下水道」のコラムのタイトルは「(下水道をとらえる)もぐらカメラ」で、第1回は2010年の3月号に始まる。第1回「世界最大規模のケーソン工事」、第2回「R=25曲線があるシールド現場」は、東京都下水道局東尾久浄化センターおよびそこを起点とするシールド工事中の西日暮里幹線が被写体で、同日に撮影した。どういう経緯だったか覚えていないが、この2回分は編集部が文章を書いている。しかも写真データを探してみたがどこにも見つからないというお粗末さ。小生自身があまり気持ちをいれていなかったのかもしれない。で、第3回目以降はずっと写真、文章とも小生が担当することになる。暇なときに随時アップしていくのでご期待ください。
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タグ:下水道
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隅田川コンプリート!その2 [河川]

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先々日のエントリーの続き。隅田川、一気に上ります!

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リバーサイドに住みたいな。。。

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よくこんな所に渡り廊下作ったよな。。

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隅田川大橋のたもとにあるナイフエッジな建物。

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清澄排水機場の水門。

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小名木川河口にかかる橋と新小名木川水門。

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新大橋のうらは意外にカラフル。

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首都高7号小松川線と6号向島線の合流部付近。

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神田川の河口、柳橋。

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総武線。

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蔵前橋。

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東京都下水道局北部第一管理事務所、蔵前水の館があるところ。

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吾妻橋とアサヒビール本社ビル。金色に輝くオブジェは炎です!

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東武スカイツリーライン。

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言問橋とスカイツリー。

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桜橋の下で寝てる人。

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白鬚橋。対岸には下水道局白鬚西ポンプ所。

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水神大橋が見えてきた。右手は首都高6号向島線。

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造船所。ここからは特別コースで旧綾瀬川を通り、荒川へ抜けていく事に!

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隅田水門を抜けると荒川。

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荒川に出てUターン。

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船舶用カーブミラー。隅田川まで戻ります。

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千住関屋町付近でケーソン工事。

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東京メトロ日比谷線。

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三河島水再生センターからのびるホッパー。センターの再構築工事で出る残土を船で運ぶためのもの。

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京成線。

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みやぎ水再生センター。汚泥処理棟がジブリっぽい。

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上は首都高中央環状線、下は石神井川の合流点。

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新神谷橋=環七通り。遠くに見える煙突は北清掃工場。

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土手の向こうは荒川。都と県の境目が複雑に入り組んでいる。

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ゴールの岩渕水門!結構疲れた。

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下船後、旧岩渕水門と荒川知水資料館をちょっとだけ見学して終わりー!面白かった!


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