和田弥生幹線に通ずるドロップシャフト [下水道]

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高低差の大きいところで使われているドロップシャフトは縦穴の中がらせん状構造になっている。東京都の和田ポンプ施設のドロップシャフトは全長が27mで、集中豪雨のとき、既設の下水管があふれることがないよう、和田弥生幹線という雨水貯留管まで緩やかに下水を落とし込む仕組みだ。内径は2.5mもあり、日本最大だと思われる。スクリューは2段式だ。はじめ螺旋で遠心力をつけ、その後慣性で回り続け、最後にまたスクリューで整流し、管底の損傷を防ぐ。全部をスクリューにすると、勢いが強くなりすぎるというが、製造時のメリットもありそうだ(この手のものは工場で造って運ばれてくるので・・・)。
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飲める下水!! [下水道]

東京都新宿区の落合水再生センターでは、砂ろ過による高度処理が行われている。通常の下水処理水を直径1mmほどの細かい砂の層を下から上にくぐらせ、汚れを取り除く。見た目では確かにきれいで、においもほぼない。14.11.27_2888.JPG
砂ろ過された水は高層ビルのトイレ用水や、渋谷川、目黒川、呑川(本来の川の流れはほとんどない)に送られ、清流を復活させている。この処理場ではさらに膜ろ過という、超高度処理が行われている。16.03.04_1602.JPG
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膜ろ過は2種の膜(フィルターのようなもの)を通して更に不純物を取り除く。まず、UF膜により、0.01μm程度のごみ、細菌はシャットアウトされる。次にRO膜(UF膜の10分の1目が細かい)を通すと、塩類までもがろ過され、純粋な水しか出てこない。この技術は、海水を飲み水に変えることにも応用され、水不足におちいった際は有効な手段となるだろう。ためしにろ過後の水を少し飲んでみた。ミネラル分も残っていないため、おいしいとは言えないかもしれないが、のどの渇きは充分癒える。これに海水を少しだけブレンドすればおいしくなるに違いない。あとはイメージの問題だろう。これ、下水をろ過した水ですよって言われたとき、抵抗があるかないか。あなたならどうしますか?
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究極のエコシステム導入 [下水道]

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 またまた、半年ほどブログが更新できなかったorz...。最近カメラマンの仕事より執筆依頼が多くなってきており、ブログに手が回らない。元々文筆が得意ではない小生はもう文章はいやだー、と逃げ出したくなってしまっている(逃げませんけどね)。
 さて、写真は東京都の清瀬水再生センターにある下水汚泥ガス化炉。下水汚泥を蒸し焼きにしてガスを発生させるのだが、これには世界で初めての高度な技術が取り入れられている。焼却熱を乾燥や発電用エネルギーとして再利用し、従来の高温焼却炉に比べ温室効果ガスの排出を約70%削減できるという。これにより、本来のエネルギー源であった都市ガスをほとんど必要としなくなる。最後に残った灰はセメント、煉瓦や舗装の原料として使用され、捨てるものは何もない、究極のエコ処理システムだ。
 夕刻、作業用照明でライトアップされた汚泥焼却棟は「工場萌え」ファンも唸らせるに違いない。


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五感で下水道を体験できる蔵前水の館 [下水道]

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 東京都台東区に「蔵前水の館」という施設がある。23区内では唯一、本物の下水道を見学できるところだ。レトロな建物の入口から階段を下りると、下水道の仕組みや歴史がわかる展示物があり、地下3階には浅草橋幹線への扉がある。これを開けて中に入るとステージがあり、一般の見学者はここまで。この辺りはだいぶ下流で直径6.25メートルと管が大きく迫力は満点なのだが、においはちょっとキツい。
 ここには幅1メートル足らずの管理用通路があり、上流側に300メートルほど行くと堰がある。ロート状に寄せ集められた汚水の先にはぶっといドリルビットのようなスクリューがついている。蔵前ポンプ所の負荷を軽減するため、ゴミを分離しているそうだ。ねりねりされた汚水はこの後、三河島水再生センターまで流れていく。
 スクリューまでは見られないが、下水道に興味がある方はぜひ見学に行ってほしい。予約が必要なので、「蔵前水の館 見学」で検索してね。
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地下に聳えるパルテノン神殿 [下水道]

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 東京都下水道局が管理する雨水調整池は13カ所(データが古いので今はもう少し多いかも)。生活排水等(汚水)と雨水を一緒に流す合流式下水道が多い東京都、大雨が降って下水道の許容量を超えてしまうと河川等に汚濁度の高い水が吐き出されることになる。それをできる限り減らすために地下に調整池を造って一時的に下水を貯める。近年、ゲリラ豪雨と呼ばれるような突発的な降水も珍しくなくなり、雨水調整池や雨水貯留管などがどんどん建設されているのだ。写真は昭和61年にできた南元町雨水調整池で、最も古い。新宿区の公園の地下に広がるこの空間で、四谷幹線の越流水を貯留する。2室に分かれ、それぞれ8000㎥+5000㎥のキャパシティーを持つ。現在はこれより大きな貯水能力を持つ施設があるのだが、後の機会にゆずることにする。
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マンホールから覗く首都 [下水道]

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 首都東京のシンボル、都庁舎をマンホールの中から見上げてみた。
 マンホールの中の状況は蓋を開けてみるまで分からない。幾つか開けてもらって最適なアングルを狙う。マンホールの底で体を丸めて、ファインダーが覗ける限界に挑戦。それでも三分の二は空だった。そこで、蓋を半分ほど閉めてもらったところ、期せずして三日月型の構図となった。大きく写っているのは下水道局の入る第二庁舎だ。冬季のため、花も葉もない桜の枝が肺の毛細血管のように見える。ここで足をつったら大変なことになる。また、寒さでバッテリーの持ちが悪く、度々交換しながらの撮影となった(EOS50Dを使用、BP511は寒さに弱い。この後LP-E6になってからは劇的に改善した)。

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もぐら再起動宣言! [下水道]

 最後のエントリーが去年の7月、もう9カ月も放置してしまった当ブログ。「いいね!」やコメントをもらいやすいFacebookに「ゆるい」投稿をすることに慣れてしまい、誰が読んでくれているかが分かりにくいブログを書くのが億劫になってしまったことが最大の理由だ。もう一つの理由は、小生がコラムを連載している業界誌「月刊下水道」編集部より、本誌掲載より先にブログで発表するのはNGと言われてしまったことだが、もうそのコラムも60回を超えた。先に出すのがダメでも後出しならOKのはずである。自身の忘備録を兼ねて過去の記事を一般の人にもわかりやすく一部修正しながらブログに載せていこうと思い立った。これなら週一で書いても1年以上続けられる。これを弾みにしてブログを再起動させようという目論見である。
 「月刊下水道」のコラムのタイトルは「(下水道をとらえる)もぐらカメラ」で、第1回は2010年の3月号に始まる。第1回「世界最大規模のケーソン工事」、第2回「R=25曲線があるシールド現場」は、東京都下水道局東尾久浄化センターおよびそこを起点とするシールド工事中の西日暮里幹線が被写体で、同日に撮影した。どういう経緯だったか覚えていないが、この2回分は編集部が文章を書いている。しかも写真データを探してみたがどこにも見つからないというお粗末さ。小生自身があまり気持ちをいれていなかったのかもしれない。で、第3回目以降はずっと写真、文章とも小生が担当することになる。暇なときに随時アップしていくのでご期待ください。
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タグ:下水道
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下水道で一灯ライティング [下水道]

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 暗黒の世界、下水道。しかし写真を撮るためには何らかの光源が必要だ。多灯ライティングでしっかりリアリズムを表現するのもいいことだが、時と場合によっては臨機応変に対応せねばならない。この現場では、午後9時くらいのお風呂タイムということもあって、水蒸気がはんぱなく、手前からのライティングでは真っ白になってしまう状況だった。三脚を使い、手前45°くらいからストロボを発光させ、水蒸気の反射をなるべく抑えて撮影にのぞんだ。しかし、最後のほうで、作業用資機材が散らばっていたので、三脚無しでの撮影を試みた。ライトはワイド型LED一灯。これ以上動かせない。EOS6DでISO12800で手持ちで撮影。残念ながら、このような暗い場所では、色ムラ、ノイズが目立つ。そこで、仕方なく白黒に変換してみた。レンズは古いもので、24-85f3.5~4.5。このレンズ、もう廃盤だが、予備のレンズとしてはちょうどいいスペックだ。今回はなんとか作品になったが、レンズの性能は当然ながら今ひとつだ。24-70f2.8Lは胴回りが大きすぎ、片手でレンズ交換するのは難儀する。しかしながら、これの手ブレ補整機能付きのレンズが発売されたら速攻で買いにゆくだろう。キャノンには、プロ向け標準~広角レンズに手ブレ補整機能付きのものはない(f4ならあるが、お呼びでない・・)。デジタル多画素時代の今こそ、手ブレ補整の需要があることを理解してほしいものである。

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トンネルで自転車!? [下水道]

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とあるシールドトンネルを取材に行ってきた。トンネルもどんどん伸びてって、何キロにもなってくるとトンネル内を歩いて移動するには時間がかかり効率が悪い。そこでこの現場の作業員は自転車を導入している。しかもトンネルのほとんどは資材を運搬するトロッコ用なので、歩行用スペースは端っこ60cmしかない。小生、考えてみたら、この10年くらい自転車を乗ったことがない。ジムで固定された自転車マシンはこいでるのだが・・・、それはバランスをとらなくていい。みんなで自転車で移動するというので、仕方なく乗ってみた、ら、あっちへフラフラこっちへフラフラ。右では壁と蛍光管、左では手すりへと体当りしながらのスタートとなった。しかもミニサイクルなのでこぎ出しが重い。これでは歩いたほうが早いのではないか、と思いながら約800m先まで何とか辿り着き、取材を終えた。もちろん帰りは来た通路をチャリだ。自転車は昔、盗難に遭ってしまい嫌になってやめたのだが、健康とバランス感覚の保持のために一台買ってみようかと思った。
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本日の渋谷川 [下水道]

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若者ファッションの街、裏原宿にあるキャットストリート。その下は東京都下水道局が管理する千駄ヶ谷幹線という下水道。その昔、ここには渋谷川(穏田川とも)という川が流れていた。今でも、河川だった頃の名残である石垣とかあるのだが、老朽化のため現在補強工事が行われている。表面が塩化ビニルになり、下水は流れやすくなるのだが、人間は足元が滑り、大変歩きづらい。

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渋谷川復活プロジェクトなるものがあるようだが、暗渠の上の通りに面した商店もたくさんあり、実現したとしてもちょろちょろとした細い流れしか、実現不可能だろう。
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