富士講もう一つの聖地 [洞窟]

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 富士講とは、富士山を信仰するグループのことで、お金を少しづつ積立て、いつかは富士霊山に登ろうとした。江戸時代のピークには何百もの富士講があったが、明治以降、特に太平洋戦争後は、富士登山のレジャー化が進み、衰退していった。富士講の開祖は長谷川角行(1541~1646)と言われるが、この人が修行したとされる洞窟が富士宮市にある人穴だ。人穴は、鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」にも出てくるほど古くからその存在が知られる、高さ1.5m、幅3m、奥行き90mの巨大な溶岩洞窟である。昔、人穴は、登拝の前後に、安全祈願と記念のため立ち寄ったもう一つの聖地だった。山小屋もなかった時代は弾丸登山しかできず、過酷だっただろう。なお、人穴は、安全上の理由により、現在は入洞禁止となっている。富士山が世界遺産に登録され、観光客も増えた今、人穴の安全対策を急ぎ、内部拝観を再開してほしいものである。
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