Moon River~横浜市の下水道 [下水道]

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横浜市さんの下水道におじゃました。横浜市では明治の始め、外国人居留地において早くも下水道が整備されていた。レンガ造りの様々な大きさの卵形管などがあったそうだ。現在は市もそれが現存しているかどうか把握しておらず、その代わりに面白そうなところを何箇所か案内してもらった。月明かりに浮かぶような下水管(写真上)は新作のひとつだ。何年か前に「月刊下水道」の取材で横浜市に行ったときは、陶器でできた「陶管」を見つけることができたが、どれくらい古いものかは不明(写真下)。各家庭と本下水をつなぐ「取り付け管」はしばらく前までは陶管が主流だった。現在では耐久性のより高い塩化ビニール管がほとんどだ。塩ビ管は地震には強いが溶剤等の薬品には弱い。下水道にいらなくなった薬品を捨てるのはやめませう。

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いまさらの環七地下調節池 [下水道]

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正確には神田川・環状七号線地下調節池という。昭和63年に着工、平成9年には第一期工事が完成している。第二期工事も平成19年にはもうできていた。近くには東京都下水道局の和田弥生幹線(雨水貯留管)があり、こちらはシールド工事中に取材に行っている。もちろん完成後も何回か行った。環七地下調節池になぜいままで行かなかったかと言うと、管轄が下水道局ではなく、東京都建設局の施設だから。下水道は道路の排水溝などから地下に集まり、処理能力以上の雨水を一時的に貯留施設に蓄える。それに対し、環七地下調節池は神田川、善福寺川および妙正寺川の氾濫を防ぐために造られたもの。だが、構造的には「治水」設備であることには変わりなく、ビジュアル的にもかなり似ていて、興味が出てきたのだ。上の写真は善福寺川から取水された水が落ちてくるドロップシャフト。直径7mもありかなり迫力がある。小生はこれを真下から撮ってみたいと思っていたのだが、この下は深さ7mの滝つぼならぬ減勢池があり、ボートでも出さないことには真下には行けないのだ。苦肉の策で、三脚にカメラを取り付け、横にして伸ばして撮ったのだが、伸ばせると言ってもせいぜい1mくらい。幸い最近EOS6Dを新調したのでWiFi機能でスマホから遠隔操作ができたが、結果はこんなもんだった。

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ドロップシャフトまでは地下へ約40m、なんとエレベーターで行けた。エレベーター室は完全にドライエリアになっており、水のくるところへは分厚いハッチを2個くぐらねばならない。お目当ての調節池までの連絡管はなにやら幾何学的な線と記号が書かれていたが、コンクリートの劣化状況をモニターしているらしい。丸に「ヒ」はヒビのヒ、このほか丸に「ウ」は浮きのウ、丸に「ハ」ははがれのハだという。地下には水蒸気が立ち込めていて、ほんの数メートルの視界しかない。地上が蒸し暑いときは地下では空気が冷やされるためもやが出るらしい。
本調節池、管径12mともなるとライティングが大変だ。サーチライトとLEDでなんとか演出してみた。

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7000万円のボルボが行き交う下水処理場工事 [下水道]

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仙台の南蒲生浄化センターは東日本大震災の被害を受け、平成27年度の完成を目指して復旧工事中である。小生は本工事風景を定期的に撮影している。現在はパワーブレンダー工法という地盤工事の真っ最中だ。海沿いに位置するため地面は砂で軟弱なのだが、大きいドリルで5メートルほどの穴を開けてA剤とB剤からなるセメントを混ぜて攪拌し、固める。6haある工事エリアの内、3.5haの地盤を造る。現場では100mを超えるタワークレーンやらパワーブレンダーやらバックホウなどでごった返しているなか、巨大なダンプカーが目立った。このボルボ社製の巨大ダンプ、積載量は40トンで普通のダンプの10倍。一台7000万円もするそうだ。
一方、震災ガレキはいまだ3分の1くらいしか処分されておらず、建設現場と海側の堤防工事現場との間に、素材や種類ごとに並べてられている。
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パイプがうようよ~ [下水道]

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今日はお仕事で大田区のポンプ場に行ってきた。東京で一番処理能力が高いと言うことだった。巨大なポンプはそれなりに面白かったが、小生はスペースのあちらこちらにある配管が気になって仕方がなかった。こんなに複雑で、バルブがいっぱいついていて、どれをどうすればどうなるのかはちんぷんかんぷんだった。ポンプが発熱し、焼きついてしまうのをふせぐ水が入っている、といっていた。青いパイプたちを見ていると、ブルーマンを思い出した。彼らもチューブ状のものを使って音を出したりしていたなぁ。パイプは「音」をつかさどる。パイプオルガンのように荘厳な・・・。でもここのパイプ、非常用らしく平時は水が流れていないので音は聞こえない。それでも何か聞こえてくるような気がする。生命を感じるのは血管の動脈、静脈を連想させるからか。
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ソハの地下水道 [下水道]

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日比谷のTOHOシネマズシャンテで公開中の映画「ソハの地下水道」を観てきた。約半分の時間が下水道の内部のシーンで、下水道マニアは必見の映画だ。舞台は1943年、ポーランドのルブフという町。ナチスドイツに支配されていたこの地にはドイツ人、ポーランド人、ウクライナ人、ユダヤ人などが住んでいて、様々な言語が入り混じっていた。主人公のソハはポーランド人で下水道の修理工。飲み屋にいるときも半長(股下までの防水靴)を履いたままの面白い人。ある日、ナチスから逃れようと家屋の地下に穴を掘り、下水道に逃げ出したユダヤ人の集団と遭遇する。ずるがしこいソハは、彼らのことを匿い、見返りに金銭を要求していた。地下では色々なことが想像もつかないほどのレベルで繰り広げられるのだが、あまりストーリーをここで書いてしまうとこれから見に行く人に悪いのでやめておく。特筆すべきことは、この下水道、スタジオに造り上げたセットであるということ。逆卵形や馬蹄形の煉瓦管は全て石膏で造ったものらしい。下水道が映画の中に登場することは多々あるが、これほど完成度の高いものは初めてだ。(路上のマンホールの管口や雨水吐きなど一部は、おそらく本物だと思う)。監督のアグネシュカ・ホランド氏(女性)は実際の下水道もロケハンしたが、3時間予定していたところ、悪臭に耐えかね、1時間で撤退したという。下水管内が洪水であふれるシーンもあり、その水圧を考えてもよっぽど頑丈な造りでなければならない。専門的に見れば突っ込みどころはなきにしもあらずだが、ハリウッドでの映画制作の経験のあるホランド監督の意気込みが充分感じられる。そんなホランド氏は1957年のポーランド映画「地下水道」の監督、アンジェイ・ワイダの弟子だと言う。この映画の原題は「In Darkness」(暗闇のなかで)だが、日本版タイトルを「ソハの地下水道」にしたのは、ワイダとの師弟関係あってのことかもしれない。因みにワイダの「地下水道」の原題はKanal(水路)。日本人は下水道のことを地下水道と呼ぶのが好きなのか?(小生の写真集のタイトルも然り)。
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名古屋の下水道科学館 [下水道]

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以前にも行こうと思ったが、駐車場がないという理由だけで断念していた名古屋市の下水道科学館。お盆で帰省するついでにがんばって遠くの駐車場でも止めてからいこうと気合を入れてたが、すぐ脇の道路が土日は駐車禁止解除になっていたのでラッキー。ここは名城水処理センターの一階を使って下水道の仕組みや名古屋の下水道の歴史などが分かるよう色々なものが展示されている。ワンフロアーのみなので規模は大きくないが、やはりこどもたちをターゲットにしているようで楽しい。ささやかながら、資料室もあり、調べごとにも使える。土日以外に車で行く人は、となりの名城公園の有料駐車場を使うのが一番近い。入場無料、祝日以外の月曜日は定休日。
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地底コンサート [下水道]

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一見、音楽ライブ会場の照明のように見えるが、単純に下の写真の長いマンホールを地下から見上げて撮ったものだ。なぜマンホールが長いか?というと、ここが伏越し(サイフォン)になっていてメンテナンスのために大きな資機材の上げ下ろしが必要だからだ。決して珍しいものではない。だから地上を行き来する人は何も不思議には思わない。そんなところの真下でロックコンサートのライティングのような太陽光が見られるなんて、それこそ誰も想像しないのではないだろうか。

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気分はパリジャン!?またはオペラ座の怪人 [下水道]

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中野区には5つの川がある。神田川、善福寺川、妙正寺川とその支流江古田川、そして全長5.1kmが全て暗渠化されている桃園川だ。
JR高円寺駅から南にのびるパル商店街(だったかな?)を歩くとわりとすぐにこの桃園川緑道が現れるので知ってるひとは多いと思う。この地下、元あった橋ごとに名前を書いているらしい。上流から点検等で入って暗渠の中を歩いているとどこにいるのか分からなくなってしまうので、という理由。フランスはパリの下水道には地上と対応する番地が下水管内に示されている。理由は同じ。パリジャン気分を味わえるのはいいのだが、ちょっとペンキで書かれた文字が怖い。一人で地下を歩いていたとしたら、このしるしをみてぞっとするに違いない。写真の戸井橋は分水人孔で、ここから汚水は神田川幹線へと引き継がれ、増水時にあふれた水は250m先(北新宿あたり)で神田川へと流れる仕組みになっている。

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話変わって、中野の下水処理場でトイレを借りた。トイレに入ると人を感知してライトがつくようになっている。大きいほうをしていたら目の前に「感知式照明につき消灯してしまった時は体を動かしてください」とあった。でも個室でがんばっているときに急に電気が消えてしまったらどう体を動かせばいいのか、とても不安になった。
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地底に残る風流 [下水道]

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荒川区にかつて藍染川という川が流れていた。名前からも推測できるが、江戸時代には染物屋が軒を連ね、藍色の布を染めていたとの伝えがある。現在は藍染川幹線という下水道になっているのだが、その一部、約130メートルにわたって煉瓦作りの管渠が残っている。そこは普段水流は無く、大雨のとき本管のバイパス管として使われている。この煉瓦管がいつなぜ造られたのかは調査中だが、藍染川幹線ができた昭和36年、すでにあった煉瓦管を壊さずに下水道局が受け継いだものと考えられる。染物屋が使うくらいだから清流があったに違いない。その後どぶとなり、地下下水道へと姿を変えていったのだ。このような旧河川が下水道に取って代わった例は枚挙にいとまがない。地上は車道になっていたり、緑道になっていたりだが、興味があるので今後もしばらく取材を続けたいと思っている。
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なにげない書体のマンホール続続編 [下水道]

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前回のかわいい「汚」のマンホール、足立区の竹ノ塚だというので探しに行ってみた。竹ノ塚といわれても広いので、これは大変な作業になるかと思いきや、駅の周りは大体こんな感じだった!足立区あたりは比較的下水道の整備が遅かったので、東京では珍しい方の分流式の下水道が多く採用されている。前々回さらした「雨」マンは千葉県の浦安市だったのに、なぜ蓋のデザインが同じなのかが分からないが、「汚」という字が嫌悪感を抱かせるので、自治体としてはかわいい書体をもって工夫をしているのだろう。たとえばひらがなで「おすい」とかは結構多い。

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筆記体だとなんとなくよけいに汚い感じがするのはなぜだろう?という前に名前に「汚」の字を使った小生はいったい何を思ってそうしたのか?自問自答してしまうのであった。
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